2018年4月2日、エンゼルスに所属する大谷選手が初登板初先発でメジャー初勝利を挙げました!
おめでとうございます!
投球内容は、6回3失点、被安打3、奪三振6、四死球1。アスレチックス戦。
クオリティースタート(QS)の投球内容で、文句なしのメジャー初勝利を手に入れました。
オープン戦の内容がよくなかったので、1ファンとして不安でしたが、初登板で結果を残せてよかったです!
二刀流としての勝ち星は、あの伝説の選手ベーブルース以来とのことで、ひとまずは良いスタートを切ることができました。
二刀流としてのメジャー挑戦はもちろん初めてのことなので比較対象はいないのですが、先発投手としてメジャーに挑戦した選手は今まで何人もいました。
その選手たちの初登板の結果はどうだったのでしょうか?
歴史をさかのぼって、先発投手全員の初登板の成績をまとめました。
目次
- 1 前田健太(2016年) ロサンゼルス・ドジャース
- 2 村田透(2015年) クリーブランド・インディアンス
- 3 和田毅(2014年) シカゴ・カブス
- 4 田中将大(2014年) ニューヨーク・ヤンキース
- 5 岩隈久志(2012年) シアトル・マリナーズ
- 6 ダルビッシュ有(2012年) テキサス・レンジャーズ
- 7 高橋尚成(2010年) ニューヨーク・メッツ
- 8 川上憲伸(2009年) アトランタ・ブレーブス
- 9 上原浩治(2009年) ボルチモア・オリオールズ
- 10 黒田博樹(2008年) ロサンゼルス・ドジャース
- 11 多田野数人(2004年) クリーブランド・インディアンス
- 12 石井一久(2002年) ロサンゼルス・ドジャース
- 13 大家友和(1999年) ボストン・レッドソックス
- 14 吉井理人(1998年) ニューヨーク・メッツ
- 15 マック鈴木(1998年) シアトル・マリナーズ
- 16 伊良部秀輝(1997年) ニューヨーク・ヤンキース
- 17 長谷川滋利(1997年) アナハイム・エンゼルス
- 18 野茂英雄(1996年) ロさんぜる・ドジャース
- 19 村上正則(1965年) サンフランシスコ・ジャイアンツ
- 20 まとめ 初先発で勝利する選手が多い
前田健太(2016年) ロサンゼルス・ドジャース
前田健太選手は2016年に広島カープからポスティングシステムを利用してメジャー挑戦。
強豪のロサンゼルス・ドジャースと契約しました。
4月6日(開幕3戦目)でメジャーデビューを果たし、投球内容は6回無失点、被安打5、奪三振4、無四死球と完璧な投球で初登板初勝利。
その後も好投をかさね、メジャー1年目は16勝、防護率3.48と大活躍しました。
ちなみに前田健太選手はメジャー初登板の試合で、打者としてメジャー初ホームランを打っています。
あなたは神ですか!
村田透(2015年) クリーブランド・インディアンス
村田透選手は2007年のドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。
2010年に戦力外通告を受けるまで、3年間の間に1軍の登板はゼロ。
ドラフト1位が3年目で戦力外通告を受けることは極めて珍しく、あまり記憶にありません。
日本での実績がないため、メジャーに行ってから日本での知名度が上がったという珍しい選手です。
村田透選手は巨人から戦力外通告を受けたあと、トライアウトに参加した時にインディアンスのスカウトから評価され、インディアンスとマイナー契約を結ぶことができました。
その後AAA(3A)リーグで実績を積み、2015年6月29日にメジャー初登板初先発を果たしました。
投球成績は、3と1/3回5失点、被安打4、奪三振2、四死球1。
残念ながら負け投手となってしました。
メジャーでの実績はこの1試合のみとなり、2017年に日本ハムファイターズと契約を結び(年俸推定3500万円)、日本プロ野球へ復帰しました。
日本で一流の実績を残してのメジャー挑戦が多い中、日本でクビになってメジャーリーグに挑戦するのは珍しい例です。
しかも、その後にまた日本プロ野球リーグに復帰するという、応援したくなる経歴の持ち主です。
和田毅(2014年) シカゴ・カブス
ソフトバンクホークスで活躍する和田毅選手は、2011年シーズン終了後にFA権を使用してメジャー挑戦を表明。
ボルチモア・オリオールズと2年契約を結ぶも、2012年春キャンプで肘を痛め、2年間無登板に終わりました。
2014年にシカゴ・カブスに移籍、同じ年の7月9日に初登板初先発を果たしました。
投球内容は、5回1失点、被安打5、奪三振3、四死球1。
勝ち投手の権利を持ったまま降板したが、リリーフ陣が打たれてしまい勝ち星は付かず。
その後メジャーに定着し、2014年は13試合に先発登板、4勝を挙げました。
和田毅選手の日本での実績を考えると、ケガのせいもあって、メジャーでの成績は残念でした。
しかし、2016年にソフトバンクホークスに復帰して最多勝を獲得するなど、活躍する姿を見ることができて嬉しいです。
ヤフコメ等では「メジャーにリハビリに行った人」などと揶揄されることもありますが、ほんとに失礼なのでやめてほしい。
田中将大(2014年) ニューヨーク・ヤンキース
われらがマー君こと、田中将大選手は2014年4月4日トロント・ブルージェイズ戦にて、メジャー初登板初先発を果たしました。
7回3失点、被安打6、奪三振8、四死球0。
試合は7対3で勝ち、田中将大選手にメジャー初勝利が付きました。
また、この勝利は日米通算100勝目、いつか日本に戻って日本通算100勝もあげてほしいですね。
試合を上手くまとめる力をメジャーでも見せてくれました。
シーズン中にケガもありましたが、メジャー1年目は13勝5敗、防御率2.77と、負けない投手らしい成績を残しました。
マー君の実績を紹介し始めたらキリがないので、あえて省略させて頂きます。
岩隈久志(2012年) シアトル・マリナーズ
近鉄や楽天で活躍した岩隈久志選手は2012年にFA権を使用してシアトル・マリナーズと契約。
春キャンプで結果を残すも先発ローテーション入りならず、シーズン当初は中継ぎでの登板が続きました。
「岩隈は絶対活躍するから先発だろ!意味わからん!」と、当時思ってた記憶があります。
岩隈久志選手のメジャー初登板は4月21日、開幕から15試合目とかなり遅めでした。
ホワイトソックス戦で3番手として登板し、4イニングを投げて1失点と好投。
前半戦は中継ぎ投手として活躍し、6月16日サンフランシスコ・ジャイアンツ戦でメジャー初勝利。
7月2日オリオールズ戦でメジャー初先発を果たし、この試合では岩隈久志選手の他に、イチロー選手と川崎宗則選手もスタメン出場し、メジャーリーグで初めて同一チームで日本人選手3人が先発出場しました。
この時の投球内容は5回3失点、勝敗付かずでした。
後半戦は先発ローテーション入りし大活躍。1年目は9勝を挙げ、防御率は3.16。
シーズン初めから先発で投げていれば二けた勝利は間違いなかったでしょう。
ダルビッシュ有(2012年) テキサス・レンジャーズ
今年、大型契約でカブスに移籍したダルビッシュ有選手は、2012年に日本ハムファイターズからテキサス・レンジャーズに移籍。
この時はポスティングシステムを利用し、ドルベースで史上最高額(5170万ドル)でレンジャーズが交渉権を得ました。
ダルビッシュ有選手のメジャー初登板初先発は4月9日のシアトル・マリナーズ戦。
5回2/3、5失点、被安打8、奪三振5、四死球5、と荒れた投球内容でしたが、味方打線の援護に恵まれ、メジャー初先発初勝利を挙げました。
ダルビッシュ有選手は昨年のワールドシリーズで打たれまくり、今年の移籍後初先発でも打たれと、勝負所で打たれる傾向が強いのですが、メジャー初登板でも打たれていました。
調子が良い日はまさに無双なので、もう少し安定感があると異次元なんですけどね。
なお、メジャー1年目の成績は、16勝9敗、奪三振221、防御率3.90でした。
高橋尚成(2010年) ニューヨーク・メッツ
高橋尚成選手は2009年シーズン終了後にFA宣言し、メジャー挑戦を表明。
移籍先探しで苦労し、2010年2月にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結びました。
メジャー初登板はリリーフ(4月7日マーリンズ戦、サヨナラ打を打たれて負け投手)でしたが、5月21日ニューヨーク・ヤンキース戦でメジャー初先発を果たしました。
その時の投球内容は、6回無失点、被安打5、と好投。味方打線の援護がなく勝敗付かず。
高橋尚成選手のメジャー1年目は先発、中継ぎ、抑えとすべての役割を経験し、53試合登板、10勝6敗8セーブ、防御率3.61、と良い意味で期待を裏切る結果を残しました。
高橋尚成選手は投球スキルどうこうというより、メンタルが強いイメージです。
川上憲伸(2009年) アトランタ・ブレーブス
中日ドラゴンズのエースだった川上憲伸選手は2009年にメジャーデビュー。
メジャー初登板初先発は4月11日のワシントン・ナショナルズ戦。
投球内容は、6回3失点、被安打4、奪三振8、と試合をまとめ、初登板でメジャー初勝利を挙げました。
川上憲伸選手のメジャー1年目は味方打線の援護を得られず、7勝12敗と負け越しましたが、防御率3.86とそんな悪くはありませんでした。
上原浩治(2009年) ボルチモア・オリオールズ
今年読売ジャイアンツに復帰した上原浩治選手は2009年にメジャー挑戦。
巨人時代は先発完投型でありながら、抑えで活躍した年もあり、メジャーリーグではどういう役割を果たすかでも注目されました。
開幕から先発ローテーション入りし、4月8日のニューヨーク・ヤンキース戦でメジャー初登板初先発。
投球内容は、5回1失点、被安打5、四死球1。
試合は7対5でオリオールズが勝ち、上原浩治選手は見事メジャー初勝利を挙げました。
この試合では、巨人でチームメイトだった松井秀喜選手とも対戦し、松井選手を無安打に抑えました。
今ではリリーフのイメージが強い上原浩治選手ですが、バリバリの先発完投型だったんですよね。
ちなみに我がヤクルトスワローズは上原投手を大の苦手としていましたので、日本球界への復帰は嬉しくもあり、恐ろしくもあります。
上原浩治選手のメジャー1年目はケガに泣かされ、2勝4敗、防御率4.05に終わりました。2年目からは先発での登板はありません。
黒田博樹(2008年) ロサンゼルス・ドジャース
黒田博樹選手は2007年シーズン終了後に広島カープからFA宣言し、ロサンゼルス・ドジャースと契約。
4月5日パドレス戦でメジャー初登板初先発。
7回1失点、被安打3、四死球0、と好投し、メジャー初勝利を挙げました。
この試合では現ロッテの監督井口資仁選手と対戦し、3打数無安打に抑えています。
この頃からメジャーで日本人同士が対戦するのが普通になりましたね。
今では日本人野手がほとんどいないのでちょっと寂しいです。
黒田博樹選手のメジャー1年目は31試合に先発、投球回数183回、防御率3.73と、安定してローテーションを守る「黒田らしい成績」でしたが、援護に恵まれず9勝10敗と負け越しました。
それもある意味黒田選手らしい。
多田野数人(2004年) クリーブランド・インディアンス
大学時代に抜群の実績を残し、ドラフト上位指名間違いないとされた多田野数人選手はスキャンダルによりドラフト指名されず。
日本でのプレーが叶わず、活躍の場を求めてアメリカへ。
マイナーで経験を積み、2004年7月2日シンシナティ・レッズ戦でメジャー初先発初勝利を挙げました。
この時の投球内容は、7回2失点、被安打4、奪三振10。
メジャーリーグでの勝利はこの1勝のみ。松坂世代の1人です。
2007年のドラフト会議で日本ハムファイターズから指名され、日本プロ野球リーグでも活躍しました。
石井一久(2002年) ロサンゼルス・ドジャース
ヤクルトスワローズのエースだった石井一久選手は2002年にメジャーデビュー。
オープン戦では打たれまくり(防御率10点越え)、どうなることやらとかなり心配されました。
しかし、開幕から先発ローテーション入りし、4月6日コロラド・ロッキーズ戦でメジャー初登板初先発初勝利。
投球内容は、5回2/3、無失点、被安打2、奪三振10。
三振を奪いまくり、石井一久らしいピッチングでした。
前半戦だけで11勝あげるなど好調でしたが、後半戦は調子を落としてしまいました。
また9月には頭部に打球を受け、1ミリずれていたら死んでいたかもしれないという大ケガを負い、そのままシーズンを終えました。
石井一久選手の1年目は14勝10敗、防御率4.27、奪三振143、
今は吉本興業に所属し、さまざまな活動をしている石井一久さん。
ざっくばらんそうな性格に似合わず、的確な野球解説でも人気です。
大家友和(1999年) ボストン・レッドソックス
エクスポズのイメージが強い大家友和選手ですが、メジャーデビューはボストン・レッドソックスから。
メジャー初登板初先発は7月19日のフロリダ・マーリンズ戦。
1回5失点とKOされてしまいました。
日本での実績がほとんどない中で、メジャーで活躍した選手としても有名の大家友和。なんか格好よかったですよね。
メジャー通算51勝68敗、防御率4.26。
吉井理人(1998年) ニューヨーク・メッツ
まだ私が野球を見始める前の時代になってきました。
ヤクルトスワローズからニューヨーク・メッツに移籍した吉井理人選手は4月5日のピッツバーグ・パイレーツ戦で初登板初先発。
投球内容は、7回無失点、被安打3、メジャー初登板初勝利を挙げました。
前半戦は調子がよかったものの、シーズンを通しての成績は29試合に先発して6勝8敗、防御率3.93とイマイチでした。
防御率から考えるともう少し勝ち星が伸びてもよかったのですが、巡りあわせが悪かったようです。
マック鈴木(1998年) シアトル・マリナーズ
「初の逆輸入選手」として話題になったマック鈴木選手。
メジャーデビューは1996年ですが、メジャー初先発は1998年。
この年に5試合先発登板して1勝を挙げています。
しかし残念ながら、初先発のデータを見つけることはできませんでした。
伊良部秀輝(1997年) ニューヨーク・ヤンキース
ニューヨーク・ヤンキース初の日本人メジャーリーガーである伊良部秀輝選手。
シーズン途中のトレードによる移籍だったため、メジャー初登板初先発は7月10日のデトロイト・タイガース戦。
投球内容は、6回2/3、2失点、被安打5、奪三振9。
日本人初のメジャー初登板初勝利を達成しました。
シーズン1年目では5勝挙げたものの、防御率は7.09と安定しませんでした。
長谷川滋利(1997年) アナハイム・エンゼルス
もうこのあたりまでくると、データを探すのも一苦労。
1997年に金銭トレードでアナハイム・エンゼルスに移籍した長谷川滋利選手は、4月5日にクリーブランド・インディアンス戦でメジャー初先発。
投球内容は、4回1/3、5失点、被安打7、で負け投手になりました。
4月は先発で結果を残せず、リリーフに転向。メジャー1年目は50試合に登板して、3勝7敗、防御率3.93の成績を残しています。
野茂英雄(1996年) ロさんぜる・ドジャース
パイオニアとも呼ばれる野茂英雄選手。
名前だけは知っていても、実績を知らない世代が増えましたね。
私も2002年あたりからしか記憶にありませんが、メジャーリーグでトルネード旋風を巻き起こした偉大な選手です。
アメリカに渡った時の年俸はわずか980万円。(前年近鉄での年俸は1億4000万円)
野茂英雄選手のメジャー初先発は5月2日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦。
ストライキの影響により開幕が遅れた年でした。
投球内容は、5回無失点、被安打1、奪三振7。
快投でしたが打線の援護はなく勝敗付かず。
メジャー初勝利は1か月後の6月2日ニューヨーク・メッツ戦でした。
村上正則(1965年) サンフランシスコ・ジャイアンツ
もはや伝説の人、村上正則。
最初の日本人メジャーリーガーは? というクイズでよく見かけるお名前ですね。
1964年にメジャーデビューしして9試合に登板。先発登板はありませんでした。
1965年に45試合に登板して1試合のみ先発登板。
翌年には日本球界に戻りましたので、メジャーでの先発は1回だけでした。
メジャーの通算成績は、2年間54試合登板、5勝1敗9セーブ、防御率3.43、主にリリーフで活躍しました。
まとめ 初先発で勝利する選手が多い
メジャーリーグで先発経験のある投手をご紹介しました。
わりと初登板初先発で初勝利を挙げている選手が多いですね。
一流の選手は大舞台のプレッシャーに強いということでしょうか?
ダルビッシュ有選手もプレッシャーに強そうなのに、なんで大一番で打たれるのかが謎ですね。
最後にもう一度初先発の結果をまとめました。
- 大谷翔平:勝ち
- 前田健太:勝ち
- 村田透:負け
- 和田毅:勝敗付かず
- 田中将大:勝ち
- 岩隈久志:勝敗付かず
- ダルビッシュ有:勝ち
- 高橋尚成:勝敗付かず
- 川上憲伸:勝ち
- 上原浩治:勝ち
- 黒田博樹:勝ち
- 多田野数人:勝ち
- 石井一久:勝ち
- 大家友和:負け
- 吉井理人:勝ち
- マック鈴木:不明
- 伊良部秀輝:勝ち
- 長谷川滋利:負け
- 野茂英雄:勝敗付かず
- 村上正則:不明
メジャーリーグで先発経験がある20人のうち、初先発で白星がついたのは11人、勝敗が付かなかったのは4人、黒星が付いたのは3人、不明は2人でした。